ALONES
しかしそんな時だった。
「――私は、弱いですか。」
凛とした空気を放ちながら、不意にレイチェルが口を開いた。
不覚にもドキリとして、「は?」と声が上ずる。
「私は、弱いですか。」
レイチェルは俯いたまま言った。ただ静かに、声を荒げることもなく、もう一度言った。
「私は…弱いですか。」
ランベールは暫く彼女の様子を伺ったが、返事をする。
「弱くは、無い。」
するとレイチェルは続けた。
「それは戦闘面においてですか、精神面においてですか。」
質問攻めだな…。
ランベールはため息を零しながらも、決して嘘を吐かず、盛る事も、同情する事も無く、彼女が望むままの返事をした。
「戦闘面では恐ろしいくらいに強い。だが、精神面では驚くほど弱い。」
暫くの沈黙の後、彼女は「そうですか。」とだけ呟くと、俯いた。