ALONES
「キーラ。」
心を削ぐ様に、声を吐きだす。
勿論返事は無いけれど、きっと彼女には聞こえているだろう。
「突然こんな事を言うのもなんだけど…。」
待たずして伝えるのは、己の意志。
そして、いつかやってくるであろう哀しみを、早めてしまった僕の責任。
「――この島を、出ようと思うんだ。」
ポタリ、と甕の中に雫が零れた。
ずっと一緒に居たい。
けれどそれは、君を縛る呪いだ。
「この躰が動く内に…世界を知りたいんだ。」
本当は君と一緒に行きたい。
でも僕の存在が…君を苦しめるだろう。
何れ、別れなければいけない。
そう思っていた。
だからきっと、今がその時なんだ。
「これ以上、君に迷惑をかけるわけにはいかない。」
どうかさっきの言葉も、僕の事も忘れて。
「君は、僕と居ちゃ…ダメなんだ。」