オレ様専務を24時間 護衛する


「マヌケヅラだな」

「へ?……あっ!!」


フッと嘲笑しながら横目でチラリと。


スケールの大きさに呆気に取られていた私は、

彼の言う通り、『マヌケヅラ』をしていた。

……口をポカンと開けたまま。


思わず、両手で口元を押さえると


「着いたぞ」

「んッ?!」



緑豊かな庭に色鮮やかな花々。

あちらこちらに点在するファインアート。


そして、白とシルバーを基調とした外壁に

近代美術館を思わせるアレグレットな造りの大邸宅。



『世界の御影』と称されるのも納得。

ハイセンスの邸宅のエントランスに車は停車した。



興奮冷めやらぬまま、その地に降り立つと


「おい、何してる?早く来い!!」

「あっ、はい!!」



仏頂面の京夜様の後を追い、

恐れ多くも、その邸宅内へ足を踏み入れた。


すると、


「「おはようございます」」

「………」


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