オレ様専務を24時間 護衛する
艶やかに磨き上げられた大理石の床は
廊下とは思えぬほどの広さで……。
そこを無言のまま、歩み進める京夜様。
行き交う使用人の挨拶を頷くだけで素通り。
「……おはようございます」
とりあえず私だけでもと思い、丁寧に挨拶。
ホント、無愛想だし、完全な『オレ様』
持ってるスペックは完璧なのに
―――――――性格以外は……ね。
邸宅内のあちこちに飾られた調度品。
見事なまでに存在感がハンパない。
きっと、数十万…いや、数百万はくだらない。
吸い込まれるように目を奪われていると、
―――――ドンッ!!
「ッ?!すっ、すみません!!」
扉の前で停止した京夜様の背中に。
「松波」
「はい」
「確認するが、パーティーに呼ぶ女は確保出来たんだろうな?」
「あっ、はい。友人が了承してくれました」
「……そうか」
ボソッと呟いた彼。
ほんの少し安堵したような。
そんな彼の後を追って、扉の先の部屋へと。