オレ様専務を24時間 護衛する


百貨店内を歩くだけで、

相当、気を遣っているというのに…。


京夜様は長い脚を自慢するかのように

大きなストライドで優雅に歩いている。


そんな彼の背中を見つめ、

必死に後を追いかけていると。



「おい、チンタラ歩いてないで、サッサと歩け」

「はいッ!!」


ったく!! 何なの?!

必死に歩いてるじゃない!!


背中に目でも付いてんの??


あなたの歩くペースが速すぎて、

『歩く』じゃ間に合わないんだってばッ!!


私は小走りに彼の後を必死に追って…。


スタスタ歩く彼の背中を無意識に睨んでいると、


「松波、いい度胸してんな?」

「はい?」

「この俺様をそういう目で見るとは……な」

「………」


何?!!

ホントに背中に目が付いてんの??

どうして、私が冷視線を浴びせてるのが分かったのかしら?


不思議に思いながら、

彼のすぐ後ろまで追いつくと



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