オレ様専務を24時間 護衛する
だったら、最初にここへ来たってよかったのに。
そりゃあ、百貨店内を見廻るのは当然だけど。
それにしたって……。
京夜様は仕方がないといった感じだが、
私としては大助かり。
だって、どうやってこのお店に連れて来ようか
悩みに悩んでいたんだから。
私は素早く、
「では、早速お衣裳を…」
「………」
一瞬、ムスッとした表情を覗かせたが、
足取りはいつも通り優雅にショップ内へ。
彼の気が変わらないうちに
サッサと終わりにしないとね?!
それじゃなくても、色々と大変なんだから。
「いらっしゃいませ。専務!!」
「ん」
「お待ちしておりました。どうぞ、こちらへ」
年配の男性スタッフが慣れた手つきで
奥のコーナーへと促し始めた。
すると、若い男性スタッフが
京夜様の衣装と思われるスーツを並べ始めた。
それは、見るからに高級な素材で……。