HELLO,goodbye.



(―――……ハァ…)


静まり返った病室に響く私の吐き出した息が、少し震えていた。


私はベッドの隅に腰掛ける。



「やっぱり、私達がうまくいくなんて無理だったのよ」


返事が返ることなんてないのに

それでも私は喋りつづけた。
言いようもない何かに潰されそうで、それを誤魔化すように笑った。



「私があんたに出会って世界が変わったように、あんたは私に出会って何もかも失った。」


――…楓、あんたには

私以外にもたくさん、
あんたを必要としてる人がいるじゃない。



『純がいればそれでいい』


違う。

私がいなければ、楓が傷付くことはなかった。



< 18 / 33 >

この作品をシェア

pagetop