友達の彼

「さっき見てたよね?」


なんとなく本を物色してると、私の背後で声がする。


私だけに聞こえる、ちょっとだ甘い友達の彼の声。


「み、見てないよ!」


そう慌てて呟くと、ふっと耳に息が掛かる。


ゾクッと身を震わすと彼が私を後ろから包み込む。



「お前も、同罪な…」



同罪?


ふと彼を見上げると伏し目がちな彼の顔が近づいてくる。


反射的に目を閉じた私の唇に、彼の唇が重なった。


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