内緒のコト


「ほら先輩、水…」


いつの間に頼んでいたのか、目の前に水の入ったグラスが置かれる。


「ありがと…」


起き上がって素直に水を飲めば、小沢が安心したように微笑む。


何故かその顔が直視出来なくて…

俯いてテーブルに視線を落とすと、グラスの底の形そのままに水滴で円が出来ていた。


意味もなく、その円にグラスを重ねてみたら。

またグラスの外を水滴が流れて、円が少しだけ広がった。



こんな光景、前にもあったなぁ…





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