双子の姉妹の マキとマイ
私と宙がお弁当を食べながら数学の話しをしていると、響夏の喜声が聞こえた。


「……やっっっったぁーーー!!」


どうやら、響夏が勝ったらしい。


「くそっ!!」


円香が床にボールをなげつける。


「ま、円香ちゃん。落ち着いて、落ち着いて!」


空気がよめないマイが、なぐさめるくらいだから、それほど機嫌がわるいみたい。


それとは裏腹に、響夏が上機嫌で私のところに走ってきた。


「見た?見た?俺の華麗なダンクを!」


私は響夏に冷ややかな視線をおくって、言った。


「見てない。私はずっと宙と話してたもの」


「そういうことだ、響夏。残念だったな」


相変わらず無表情の宙が言った。


「ガーン」


自分で効果音をつけて、かなり落ち込む響夏。


そんな響夏の頭めがけて、ボールが勢いよくとんできた。


……おぉ。


頭からしてはいけない音がした。


「それ以上、マキに近づくな!このバカ男!」
凛々しい口調で、円香が言った。


「ば、ば、バカとはなんだよ!!この男女!!」

スパーンという音が響夏の頭からした。


もちろん。


私が叩いたのだ。


「円香になんてこと言うのよ、このバカ男!!」


「うっ……。マキにバカと言われれば否定はできない……」


ここで、午後の授業をつたえる、予鈴がなった。


最後まで響夏と円香はどつきあいをしていた。
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