わらって、すきっていって。
◇
「――ばっかじゃない」
えっちゃんは心底信じられないという顔をして、わたしをじっと見つめながら、ストローでココアをかきまわした。ぐるぐる、ぐるぐる。渦は大きく深くなっていくし、速すぎて、目がまわりそうだ。
ていうか手元を見て、お願い、えっちゃん。
「いやあ……ね。バカなのかも」
「かもじゃなくてバカだから。保留ってなに? どうした? あんたそんな余裕あったっけ?」
「ないんですよねえ……」
本城くんに誕生日プレゼントをもらってしまったこと。好きだと言ってもらえたこと。そしてそれを保留にしてしまったこと。
あらいざらい話すと、えっちゃんはびっくりするほどわたしをボロクソに言った。バカだのアホだのノロマだの。そこまで言いますかと。
それが、美味しいパンケーキを食べながらなんだから、もっと嫌になる。
放課後、わたしがえっちゃんを誘ったのは駅前のパンケーキ屋さんだった。前に美夜ちゃんと来たところだ。
「べつに本城と付き合ってようが付き合ってなかろうが、受かるもんは受かるし、落ちるもんは落ちるんだよ」
「分かってるけど……問題はそこじゃないっていうか」
「好きなんじゃないの、本城のこと」
「……好き、です」
「だったらなにをそんなに悩んでんだか。わっかんないなあ」
えっちゃんはわざとらしい大きなため息をひとつ吐いて、おもいきりココアをストローで吸った。やがてズコッと音をだしたグラスを眺めて、少ないよと、彼女は低い声で言った。
こわい。
「――ばっかじゃない」
えっちゃんは心底信じられないという顔をして、わたしをじっと見つめながら、ストローでココアをかきまわした。ぐるぐる、ぐるぐる。渦は大きく深くなっていくし、速すぎて、目がまわりそうだ。
ていうか手元を見て、お願い、えっちゃん。
「いやあ……ね。バカなのかも」
「かもじゃなくてバカだから。保留ってなに? どうした? あんたそんな余裕あったっけ?」
「ないんですよねえ……」
本城くんに誕生日プレゼントをもらってしまったこと。好きだと言ってもらえたこと。そしてそれを保留にしてしまったこと。
あらいざらい話すと、えっちゃんはびっくりするほどわたしをボロクソに言った。バカだのアホだのノロマだの。そこまで言いますかと。
それが、美味しいパンケーキを食べながらなんだから、もっと嫌になる。
放課後、わたしがえっちゃんを誘ったのは駅前のパンケーキ屋さんだった。前に美夜ちゃんと来たところだ。
「べつに本城と付き合ってようが付き合ってなかろうが、受かるもんは受かるし、落ちるもんは落ちるんだよ」
「分かってるけど……問題はそこじゃないっていうか」
「好きなんじゃないの、本城のこと」
「……好き、です」
「だったらなにをそんなに悩んでんだか。わっかんないなあ」
えっちゃんはわざとらしい大きなため息をひとつ吐いて、おもいきりココアをストローで吸った。やがてズコッと音をだしたグラスを眺めて、少ないよと、彼女は低い声で言った。
こわい。