わらって、すきっていって。

「告白……? なっちゃんが、小町ちゃんに?」


美夜ちゃんの、大きなアーモンド形の目が、わたしをじっと見つめている。次の言葉を早く言えと言わんばかりに。そろそろ顔面に大きな穴があきそうだ。

それと、やっぱり少し首をかしげるそのしぐさが本城くんとかぶって、なんだか複雑な気持ち。


「あ、の……はい、好きだって……言われました。本城くんに。……返事は、保留にしてます」

「はあ!?」

「ひっ……」

「小町ちゃん、なっちゃんのこと好きじゃなかったの!?」


パスタのお皿がテーブルから落ちるかと思った。彼女はそれくらいの勢いでテーブルを叩いて、心底信じられないという顔でわたしを見つめた。さっきのえっちゃんとまったく同じ顔だ。


「……あの、好き、なんだけど、でも。……ほかにもね、いろいろあるんだけど。でもやっぱり美夜ちゃんのこと、気になって。そしたらすぐには返事できないっていうか」

「うっざー。なにそれ、同情? それとも変な優越感?」

「そ、そういうわけじゃ……」


ていうか、ウザイって言われた。いま、さらりと、ウザイと言われてしまった。ショックだ。


「あのさー。なっちゃんがなにを言ったのか知らないけど、美夜はもう、なっちゃんなんかどうっでもいいんだからね? そういう気遣いホントいらない」

「で、でも……」

「美夜はね、なっちゃんに言ってあるの。小町ちゃんと幸せになってよって。最後になっちゃんを『いらない』って言ったのは美夜なんだからさ、小町ちゃんがそんなだと、美夜もかっこつかないじゃん」


ぶすっとした顔で早口にそう言うと、彼女は残りのアラビアータを一気に平らげた。
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