鍵
どうして木曜4時に図書館にいるのか。
それは私と一緒なのかもしれない。
そう、誰かと待ち合わせしているのかもしれない。
チラリと壁掛け時計に目を向けた。
もう、40分も彼は遅刻している。
図書館で私が時間を潰せることに安心しているんだ。
そして私が別れを言い出さないことに安心して、誰かを抱くんだろう。
目頭が熱くなることを感じて、小さくかぶりを振って窓際の彼に目を向けた。
彼を眺めるこの時間は私の癒し。