《俺様的》彼女の手なずけ方
「なにがですの?」



すごいの意味が、わからないか…だよね、生まれたときからこの状態なら当たり前かもしれない。



「う、ううん。なんでもない」



「今からすぐ衣装部屋にご案内しますわ。わたくしは今から美容室へ行って参ります」



「あ、うん…」



衣装部屋…って、すごくない?



そんな部屋があるんだ。



通された部屋は、前のあたしの家のリビングほどの大きさ。


両サイドにハンガーをかけるバーがあり、そこにたくさんのドレスがかけられている。


すごっ。



「どれでもお好きなのをどうぞ」



好きなものを選んで帰っていいって言うけど、気後れしてしまう。



あたしらしくない、ピンクや赤のドレスばかり。



着こなす自信もないし、ドレスを着ているだけでらしくないって、清香さんに笑われそうな気がする。



「はぁ…」



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