《俺様的》彼女の手なずけ方
「天音様のお母様は、セレブ学園で1、2を争う美しさでした。

その美しさを疎む者が嫌がらせをしてきて、それはもう大変な毎日だったのです」



天音ちゃんのお母さんも、セレブ学園出身なんだね。



「そうでしたか…」



「ある日、セレブ学園に転校生がやってきて…今の葵様のように天音様のお母様を助けて下さったのです。

いつしかふたりは仲良くなり、お互い唯一の親友のようでしたね」



転校生…まるで、あたしだ。



それはもしかして、山猫…とか?



アハハ、まさかね。



「なんだか、そのときのことを思いだしてしまって…」



メイドさんが笑顔で涙を拭う。



ふたりは、本当に仲が良かったんだね。



「あたしの母も、セレブ学園出身なんです。もしかしたら、天音ちゃんのお母さんと知り合いかも」



「そうでしたか…残念ながら、天音様のお母様のご学友の名前を覚えていなくて…。

もし葵様のお母様がそうだとしたら、ふたりの出会いは運命のようなものですね」



運命…。



ホントにそうだね。



あたしがセレブ学園に来ることになったのも、天音ちゃんと出会えたことも。



全てが、運命。


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