殺し屋天使


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世界は闇に沈み、不夜城ともいえる魔窟が深海の竜宮城の如くに猥雑な賑わいに瞬いていた。


赤、青、黄色、オレンジ、緑―――


軽快に点滅する看板のライトに照らされた通路。


自身もまたその灯りを浴びながら、少年は看板程めまぐるしいこの出来事を反芻していた。






奇術師とも魔導師とも言われるマッドサイエンティスト・メフィスト。


どんな病でも癒してしまう―――否、自分の体に移して治療してしまうマリア・リリィー。


半永遠に変わらぬ殻をもったドール。




そして




――――不老の彼




【人間は必ずいつか死に至る】


その永遠不滅のルールがもしや覆るかもしれない。




「なぁ、自分のそれ、不老不死ってやつか?」

「さぁ。死んだ事ないし、分からないよね。」




斜め前を歩く彼に問いかけても、ツレナイ返事。



まぁ、そうやな。




しかし不死ではなかったとしても、この四人がどうにか組み合わされば、あるいは―――


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