殺し屋天使





「ソージ屋!見たまんまや!」


そう言って帽子のツバをグッとあげれば、小生意気そうな顔が彼を睨む。


負かされて不貞ているのは明白。


営業らしい態度もゾンザイになった。



「まーその前はブラックジャック言うヤツやったけどな。」



つまりは違法医師。


なるほどと彼は納得した。


医者なれば生きた人間に刃物を突き立てるのにも戸惑いはナイだろう。


だからと言って殺戮に長けてナイのも道理といえる。



「ちまちま縫いモンするよかザックリ解体のが性にあってんねん。て―――わいのコトなんざどーでもええねん。」


「俺になんか恨みでもあったかな。」



首を傾げる彼に少年はちゃうちゃうと手を振った。



「さっきのは謝る。最強と名高い殺し屋がどんなヤツかと思ぅて試してみたくなったダケやし。」



結構期待して来てみたら拍子抜けの見た目だったし。


…というのは常識人らしく飲み込んだが。





多分百人いたら百人が見誤る



―――とは少年の正直な見解だ。


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