ビターチョコレートに口づけを

「大体俺、こいつの親でもないしな。
ちゃんと送ってくれんならそれでいいや。」


そう言って、ふ、と笑ったあと、付け加えるようにいった。


「あ、でも週2は俺がこいつ送るから。
いくらなんでも、いつまで続くか分からないことを、お前だけにやらせるわけには行かないし。それに……」


ちらりと此方を見たあと、楽しそうに笑って。


「こいつに体調崩させるわけにもいかねぇし、な。」


そう言った。
対する私は真っ赤で。
口をパクパクさせながら、兄を睨んでいた。

うわぁあああ!!!!!
本人に言わなくてもいいじゃん!!!!
確かに楽しみだったけど!!!
でも、それは、別にそんな意味じゃなくて、うわぁあああ!!!!!!

いっくんは、優しい兄みたいな!!!
そう!!!優しい兄を待ちわびる心境!!!!!


恥ずかしさで穴があったら入りたい、ってまさにこの事だと思った。



「? そっか?」


対していっくんはよくわかんないというように首を傾げて、にっこりと笑った。

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