カレの事情とカノジョの理想
「見てわかんない? カノジョとスキンシップ中」
「えぇー? なにそれ?」
女の人は、そこで初めて私に気づいたとでも言うような顔で無遠慮な視線をよこすと、フッと鼻で笑った。
なんかバカにされた?
なんで見ず知らずの人に、バカにされなきゃいけないのよ!
「っ、離してってば!」
「離してあげればーヤス? カノジョ、嫌がってるみたいじゃない。それよりこれから遊ばない?」
私のことなんて、眼中にないって感じ。
そう。もともと蓮沼くんの周りには、こういう女の人がいっぱい傍にいるんだから。
私に構わずに、どこにでも行っちゃえばいいんだ――
「……せーな。一人で行けば。つか邪魔しないでくれる?」
蓮沼くんは明らかに不機嫌な声で、かなりキツい口調で言い放った。
……意外だった。
てっきり誘いに乗るのかとばっかり思ってたのに。