身勝手な彼女と、都合のいい俺(短編)
「失礼ね。
あんなこと、誰にでもするわけないじゃない。
いくら知人でも、酔っ払ってる相手を家に連れて帰ったりしないわよ」

ちょっと待って。

「じゃあ何で俺を連れて帰ったんですか?」

だって俺は。
サキさんにとって、ただの部下でしょ?

そう聞くと、サキさんは恥ずかしそうに目を逸らす。

「前にも言ったでしょ。
タイプなのよ、あなたの顔」

そういえば。
サキさんはこの間も、俺の顔が好きだって言ってたっけ。

あのときは、上手くごまかされたと思って腹が立ったけど。

あれ、本気だったんだ。

ああ。
俺って単純。

あんなに嫌だと思った自分の顔に、今めちゃくちゃ感謝してる。
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