私はしがない執事です
「瑠璃殿も起こしてくれれば良いのに…」
と唇を尖らせ、いじけ始める雅ちゃん。
「妾だけ仲間外れじゃないか……」
そんな事思ってたのか。
でもなぁ…
「あ、私が起こさないように頼みました」
「何故じゃ!?」
「瑠璃さんと二人きりを長く共有したいからです」
スネ蹴った。
「雅ちゃん、新城さんは雅ちゃんが起きない方が用事がはかどるんだって」
新城さんの家事ぶりを見たらアレはもう鬼レベルだった。
無駄な動きが一切ない。
本当に午前中に屋敷の用事をほぼ全て終えるというのは頷けた。
一つの用事をしながら、彼は複数こなすのだ。
例えば朝食を作っている間に洗濯物と台拭きを済ませる。
朝食をとった後は風呂掃除。窓拭き。そして私が食べ終えた頃に掃除機をかけ始め、半分くらい終わると洗濯機が止まるのでバタバタして干す。
ちょうどコレで一時間半。
そしてそのまま外に出ているので庭の手入れ。
野菜をいくつか収穫し、キッチンへ行くと雅ちゃんの朝食を作る。
そうして雅ちゃんが起きるかなという頃にお茶を作りくつろぎ始めるのだ。