別れ道での約束
パレードの音楽が大音量で流れている。

だから、男の子が呼んでも、泣いても多分すぐ近くにいない限り聞こえない。


「ねえ、ぼくのお名前はなんて言うの?」


「グズッ…りくと…」


「りくとくんね」


私はりくとくんの手を握って、りくとくんの顔の高さに合わせてしゃがんだ。


「今は人がいっぱいここに集まっていて、パパとママを探すのは大変だと思うの。パレードが終わったら、お姉ちゃんたちと探しに行こう」


「グズッ…うん…」


「よし!りくと、これで見えるか?きれいだぞ」


大智がパレードが見えるようにりくとくんを抱き上げた。


「うわ~、うわ~、すごい!きれい!」



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