私の婚約者は特殊捜査官
そう言って

白い便箋に入れられた手紙を、

琴美に手渡した。

・・・

「それじゃあ、私はこれで・・・」


そう言って理子の母は、

出ていこうとする。


「もうお帰りになるんですか?」

琴美は悲しそうに呟いた。


「ええ・・・

あの、一つお願いがあるんだけど、

聞いてくださる?」


「・・・もちろんです。

私でよければ、なんでも」

・・・

オレは二人の会話を、

ずっと黙ってみていた。

・・・

「理子のウエディングドレス姿を

見る事は叶わなかった・・・でも、

琴美さんのウエディングドレス姿を、

見に行ってもいいかしら?」


「・・・それ・・は」

困った琴美の代わりに、

オレが言った。
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