青空バスケ―3rd―

「せんせー、ナオ君とまー君がケンカしてる!!」


ナオ君の手にはペンが握られていて、まー君はそれを取り返そうとナオ君の方に手を伸ばしていた。


「やめなさい。
みんなで仲良く使えないんだったらペンは使っちゃダメって言ったでしょ」


このペンは誰でも使えるように教室の中に置いておいたもの。

ただし、みんなで仲良く使うこと。

それがお約束。


「だって、僕が先に使ってたのにナオ君が取ったんだもん!」

「違うよ!
ちゃんと貸してって言ったもん!」


まるで噛み合わない二人の意見。


「ナオ君、まー君……」


あたしが二人を落ち着かせようとした、その時。

後ろから違う女の子の声がした。


「せんせー!
なっちゃんが!」

「え?」

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