青空バスケ―3rd―

あたしが振り返ると……なっちゃんは吐いていた。


「なっちゃん……!」


慌ててあたしはなっちゃんのそばに駆け寄る。

早くなっちゃんを寝かせてあげないと……あ、ここの掃除もして……でも、その前にケンカをどうにかしなくちゃ……


やらなきゃいけないことがありすぎて、あたしの頭は混乱する。


とりあえず、なっちゃんを……


「うわぁぁーん!!」


突然泣き声が聞こえて……あたしはビックリして振り返った。

すると……ナオ君が大声をあげて泣いていた。


「ナオ君!?」

「まー君がぶった……ぅっ……うわぁーん!!」


あたしがまー君を見ると、まー君も泣きそうな顔をしていた。


「違うもん……先にぶったのはナオ君だもん……。
っ……うわぁぁん!!」


……教室に響く、二人の泣き声。


もう……泣きたいのはこっちだよ……。


二人の泣き声を聞いて他の先生がやって来るまで……あたしはどうしたらいいか分からず、ただ一人固まっていた。

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