ウソ
胸が痛くなって電話した。

母校で知り合った、年下で学生の恋人。
楽しかった。でも。

電話はすべて無視された。着信拒否されていないだけマシだったのかもしれない。

だから、再びメールを送りつけた。

――どうしても逢いたいの。私を好きって言ったじゃない。
――言ってない。
――今から学校に乗り込むから!

彼は慌てたようだった。
それは困ると返事が来たけれど、最終的に校庭裏の絶対に人に見られないところで、と承諾した。

私はすぐに校庭裏に向かった。彼は落ち着かない様子で待っていた。
そこから口論が始まった。

「私達、なんなの?」

「ただの友達……じゃね?」

絶句した。
そして、
「言ったじゃない、好きって」と冒頭に戻るのだ。
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