龍は花を守りけり ~~
「……ほぉう?」

「なんなんですか?人を探るような
 その目は。」

「あれ?気付いてたんだ?」

「当たり前です。……見ないで
 くださいませ?」

「アハハッ。いいじゃないか?
 別に減るものじゃないだろう?」

「嫌です。」

私が即答すると、西藤さんは
にっこり笑って私の頭を
撫でたのです。

意味が分かりません。
いったい、なにを考えてこんなこと…

「ここが俺の部屋だ。」

ガラッ

「………。」

西藤さんの部屋に着くまでに
いったい、何分かかったの
でしょうか?

そう、つまり西藤さんの家は
大きいということです。

「……華?もし、俺が人間じゃないと
 言ったら、華は俺を嫌う?」

「なんですか?自分が
 人間じゃないって言いたいの
 ですか?」

「………。」

「…………。」

西藤さんが黙ってしまったので、
私も口を閉ざしました。

「華は…ここにきたとき、なにか
 感じなかったか?」

何か……?
何かって…。[妖気]でしょうか?
でも、私は人間として
生きてるんです。それを
答えにしては……。

それは自殺行為とも言えるでしょう。

「…何も感じなかったですが?」

「そうか。……ならいい。」

西藤さんはそう言って
私の近くにくる。

「離れてください。」

「嫌だね。」

「子供ですか?貴方は……。」

「子供でもいいよ。」

「有名な武士と聞いて呆れますね?
 そんなこと言っていいのですか?」


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