君に Ⅰ

「今日は2人とも暇だったから、読書スペースに行こうと思ったんだ。そしたら・・・」

中に入ってみると私がソファーの上で寝ていたらしい。

「またか・・・って思ったんだ、そしたら・・・」

私の顔を見てみると、目は赤くなっていて、ソファーの上は、私の涙でぐっしょりと濡れていたという。


少し呆然としていると、私が、
「私の何がいけないの?
私が何か悪いことをしたの?」

「私、もういやだよ。
まっちゃんとも仲良くしたいよ・・・。」

という風にしゃべっていたらしい。


そのときの顔が、あまりにも不安そうな、悲しそうな顔をしていたという。


少し不安になって、急いで起こした。

「というわけさ。
コイツも急に顔が青くなったんだよ。」

「う、うるせぇ・・・。」

顔を赤くしながら否定をする神崎君はちょっと可愛かった。




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