君に Ⅰ

でも、そのとき重大なことに気づく。

「ご、ごめんね。私、もう行くね。」

「お、おい。」

後ろで神崎君の声がする。

でも、私は足を止めるわけにはいかなかった。



泣きながら走る。


走って走って、屋上に着いたとき。


私は誰かがいるのに気づく。
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