君に Ⅰ

「それより、お前はりこという女を不審に思わないのか?」

りこ。

その名前が出てきただけでむかむかする。

「そいつがどうした?」

「最近1週間ほど、登校してないらしい。」

「どうせ、季節外れのインフルエンザとかじゃねえの?」

「いや、全ての欠席の理由が家の用事だ。」

そこでひとつ思い出す。


確か、復讐がどうのこうのって言ってたような・・・。


「瞬、実は・・・」

だが、その後の言葉は悲鳴によって消された。



事件の始まりである。



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