たっぷりのカフェラテをあなたと
 健吾さんをまとうオーラが急激に変化するのを目の前にして、私は驚く。
 
「絵里ちゃんが思うほど僕は”いい人”じゃないし、本当の僕を知ったら幻滅される事は必須かな」

 こんなにわかには信じがたい事を言う健吾さん。
 傷ついた私に優しくしてくれて、家族を気遣ってくれて……日々女性の問題に真剣に向き合ってる。
 これだけ”いい人”の条件を満たしている人はいないと思っていたのに。

「少なくとも私にとって、健吾さんはいい人よ」

 そう言うと、彼はぐっと私の腕をつかんでその端正な顔を近づけてきた。
 眼鏡の奥の瞳に鋭い光が見えた。

「僕が男だっていう事……忘れてない?」

「……え」

 確かに……キスすらしてこない彼を、草食系だと思っていた。
 私を大事にするにしたって、キスもしないなんて……って、ちょっとつまらない気持ちだったのも否めない。

 でも、今の健吾さんのムードは明らかに”男”だった。
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