たっぷりのカフェラテをあなたと
「不倫だろうと何だろうと、男女が付き合うならそこに“気持ち”が無ければ駄目だ。それが偽物だっていう事は遅かれ早かれ気付くものだからね」

「……そうね。健吾さんがその女性にした事はとても残酷な事だわ」

 自分を愛してくれるなら。
 きっとその女性は健吾さんと地獄に堕ちてもいいと思っていたに違いない。
 つまり……彼女は彼に本気になってしまったのだろう。

「中途半端な優しさは、一時の冷たさよりずっと残酷。それが健吾さんは分かっていたのよね?」
「そこまでハッキリ言われると、やっぱり応えるけど……その通りだよ」

 そう答えて、彼は虚空を眺めるような目で天井を見つめている。
 その時……再び彼のジャケットの中で携帯が震える音がした。
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