M i s t y
「澪」
声と同時に雄也の手が私を捉え、壁に体を押し付けた。
両手をつかまれたまま、雄也の唇が私の肌に吸い付いていく。
触れるなどという生やさしいものではなかった。
首に唇を当てては強烈な痛みを伴うほど吸いあげ、 甘さを伴った痛みに
声が漏れた。
やがて、あの強引さで私の口の中すべてを支配した。
舌先は私を追いかけ、互いの口を行き来した。
雄也の手が胸元をこじあけ、乳房を探し当てる。
下着から乳房を引きずり出すと、ひとしきり手で揉みあげ、
身をかがめ露になった胸に顔を押し当てた。
両の乳房は口と手によって形を変え、完全に男のものになっていった。
吸われるたびに抑えきれない声がもれ、子宮に伝わる感覚は快感となって
増していく。
私達は互いの服を脱がせ、すべてを剥ぎ取ると強く抱きしめた。
激しい抱擁に、体はすでに汗をかき熱くたぎるようだったが、
離れるのを拒むようにそれぞれの体を愛撫し続けた。
足を抱えられながら雄也の手で充分に潤った体は、狂おしく求めた男を
易々と受け入れた。
私達は、ベッドにたどり着くことなく恍惚を共有した。
「澪」
始まりと同じように、雄也が私の名を呼ぶ。
「足が震えて……少しこのまま……」
「無理をさせたな」
先ほどまでの激しさは消え、優しい腕が私を抱き上げた。
あの時は私が怪我をした雄也を支えた。
盛り上がった肩の筋肉、背中の厚みや腕の太さを、緊迫した中で
感じていた。
その腕が、いま私を抱えている。
求めた男に抱えられ、言い尽くされた言葉ではあるが、快感に浸るとは
こんなことなのだと、彼の腕に身を預けながら ひと時の心地よさに
酔いしれた。