GORIO-ゴリオ-

良かった…。

思わずホッと肩から力が抜ける。

私はまだゴリオに置いて行かれてはいない。


先輩と身体の付き合いがあったと聞かされてかなりショックを受けたけど…、まるで心臓をナイフで一突きされたみたいに胸が痛むけど…、でもゴリオだって男なのだ。

ゴリゴリの男なのだ。

それもムキムキのモジャモジャの男なのだ。

体脂肪率8%の筋肉だるまと化したゴリっとした男なのだ。

あんな美人で色っぽい先輩に誘われれば、きっと下心が揺さぶられまくってしまう事だろう。

性欲を持て余している若い男子としては、それだけで理性のタガが揺さぶられまくってしまう事だろう。

ゴリオも男として性欲に忠実なただの野獣だったと知ってショックだけど…

過ぎた事は仕方がない。

ヤってしまった事は仕方が無い。


胸がモヤモヤしてムカつくけれど、そこは無理矢理にでも目をつぶろう。

一番重要な問題はそこではない。


まだゴリオに彼女がいないのならば、

ゴリオの隣がまだ空いてると言うのならば、


「だったら私と付き合ってよ」


何よりも大切で重要な事は、私と付き合ってくれるかどうかなのだ。


夕陽が差し込む教室で、今度こそ真剣にゴリオに向き合って言った。

< 24 / 43 >

この作品をシェア

pagetop