河の流れは絶えず~和泉編~
「違うわよ、おばさん。こちらにはちょっと助(す)けてもらったことからお知り合いになっただけよ。でも、おばさんも、佐脇さん知っていたのねえ。ちょっと、びっくり。」
と、彼女が俺たちを見た。
俺としては随分と期待が大きくなっていた時だけに、今の言葉に彼女の気持ちを見た気がして落胆した。
「この子は、甘い物好きだからねえ。よく買いに来てくれてるのさ。さあ、ちょっとお座りな、何か出してやろうね。」
と、奥の座席をすすめてくれた。
「いや、おばさん、すぐ帰るからいいよ。それより、柏餅6個包んでよ。下宿のおばさんに頼まれててさ。」
そう言って慌てて断ると、
「何言ってんだい。うちのもの買ってくださる人を立ちんぼになんぞできますかいね。ほれ、少し座ってお待ちなね。」
と、奥に消えていく。
と、彼女が俺たちを見た。
俺としては随分と期待が大きくなっていた時だけに、今の言葉に彼女の気持ちを見た気がして落胆した。
「この子は、甘い物好きだからねえ。よく買いに来てくれてるのさ。さあ、ちょっとお座りな、何か出してやろうね。」
と、奥の座席をすすめてくれた。
「いや、おばさん、すぐ帰るからいいよ。それより、柏餅6個包んでよ。下宿のおばさんに頼まれててさ。」
そう言って慌てて断ると、
「何言ってんだい。うちのもの買ってくださる人を立ちんぼになんぞできますかいね。ほれ、少し座ってお待ちなね。」
と、奥に消えていく。