河の流れは絶えず~和泉編~

ふたつ

「あの、今日はどうしてここへ?」

「、、、、君に逢いに。」

本音がつい出てしまった。

慌てて目を逸らす。

何ともこの沈黙が息苦しい。

「ごめんなさい。今日はお帰りください、もう、本格的に勉強しないと。」

ああ、彼女は本気で試験に臨むつもりでいるんだ。

なら、俺も真面目にしてやらなあいかん。

「じゃあさ、こういうのはどう?無給で家庭教師というのは?」

「え?」

少し戸惑っているようだ。
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