蕾~桜の木の下で~
『ピーっという発信音の後に、お名前とご用件を...』

「あ、唯?

...アンタ、いったい何時に帰って来るのよ!!
連絡一本も入れないで...


「ん、お母さん...?」

あまりに大きい怒鳴り声が、唯の目を覚ました。
慌てて携帯を取る。

「ご、ごめんなさい。...委員会で遅くなっちゃって...あ、っはい!!
今すぐ帰ります、今すぐ!!

うん。うん。うん。じゃ、帰るから。うん。」


はーっというため息の後に、唯はようやく俺たちの姿に気付いたみたいで、

「え、かなくん?

なっ?なんでここに...?」

丸っきり状況が把握できていないという、おかしな表情を浮かべていた。


「...様子がおかしいと思って探してたんだ。そしたらここで寝てたから。」

「そっか。ごめんね。かなくんは...見てないよね?」

唯は小声で呟いた。
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