蕾~桜の木の下で~
*帰り道*

結局、今日は唯を送った。
唯は何回も「ごめんね。」って言いながら、家に入って行った。
そして俺たちは電信柱の方へ曲がる。

唯の家からは遠ざかったはずなのに、
歩く度に唯の顔が浮かんで、消えない。


...やめろよ、あんな寂しげな顔で無理して笑顔作るの。
こんな時くらい、もっと俺に弱み見せろよ。

あー、俺って本当ダメだなぁ。つっ立ってただけだったし。

「あー!!」

大きく伸びをする。

「...彼方、」

「...ふぁーあ。」

そして付け加えたように欠伸をする。

「彼方。」

「俺が泣いてる場合じゃない...よな。」

「...でも、わかるよ。」

「いや、全然俺はわかってないんだ。

唯の気持ち...。」

「彼方..」

「ごめん、今日は、」

「...うん。じゃあ、明日な。」

「バイバイ。」

浩介は、自分の家の方向にまっすぐ走って行った。
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