蕾~桜の木の下で~

...ごめんな、こんな遅い時間まで付き合わせて。
あいつ、今日久しぶりにお姉ちゃんが帰って来るって、楽しみにしてたのに。

ありがとう、浩介。


「...さて、俺も帰るか。」

まっすぐ家には帰りたくなかったが、
失恋ソングをずっと耳の中でリピートしている間にいつのまにか家に着いていた。
足は自然と自分の家の方向に向いてたみたいだ。


「ただいまー。」

リビングに入ると、いい匂いがする。
...俺の好きな、ばあちゃんの色ご飯だ。

美味しそう。一口、口に運ぶ。
甘くて、ダシがよく効いてる。いつもの、あの味だ。
そう思ったらなんだかこみあげてきて、俺は涙をこらえながらたくさんおかわりをした。
なんだか、今日のことがとても切なく思えて。

いつもと変わらない学校。


それなのに、朝倉先輩といない唯。

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