小悪魔ちゃん
「俺はね、本当の桃奈ちゃんが見たいんだ」
「本当の……あたし?」
三船先輩はゆっくり頷く。
「そう。
……だからさ、もし桃奈ちゃんが彼に想いを伝える気がないんだったら……」
『俺と付き合ってみない?』
三船先輩の声が静かな教室に響く。
先輩は小さく笑みを浮かべながらじっとあたしを見つめる。
……あたしはそんな先輩から目をそらす。
「……好きでもない人と付き合う気はないです」
あたしがそう言えば、先輩は少し声を漏らして笑う。
「でもこのまま彼を想ってても辛いだけでしょ」
「それは……」
確かに辛いけど……でも……
「だったらさ、他に好きな人作ればいいんだよ」
「……え?」
他に……?