若葉町物語


しばらくすると、安藤さんは色々な道具を持って戻ってきた。


「ちぃすけ、戻って待っててね」


「は〜い」


安藤さんはカーテンを閉めると、テキパキと貼ってあるテープをはがしている。


点滴の針を抜く瞬間は、好きだ。


すっ…と針が抜ける感覚が好きだ。


あっという間に点滴は抜けていて、絆創膏が替わりに貼られていた。


安藤さんは針を処理するとカーテンを開けて、颯爽と出て行った。


針抜いてる時、ずっと無言だったし…。


オーラが怖ぇー。


右手の点滴がなくなってすっきりしたものの、背中に痛み止めのチューブがあるから動きにくい…。


むやみに動いたら、背中の痛み止めのチューブが抜けるからなぁ。



< 14 / 66 >

この作品をシェア

pagetop