若葉町物語
しばらくすると、安藤さんは色々な道具を持って戻ってきた。
「ちぃすけ、戻って待っててね」
「は〜い」
安藤さんはカーテンを閉めると、テキパキと貼ってあるテープをはがしている。
点滴の針を抜く瞬間は、好きだ。
すっ…と針が抜ける感覚が好きだ。
あっという間に点滴は抜けていて、絆創膏が替わりに貼られていた。
安藤さんは針を処理するとカーテンを開けて、颯爽と出て行った。
針抜いてる時、ずっと無言だったし…。
オーラが怖ぇー。
右手の点滴がなくなってすっきりしたものの、背中に痛み止めのチューブがあるから動きにくい…。
むやみに動いたら、背中の痛み止めのチューブが抜けるからなぁ。