月詠姫〜癒しと鬼一族編〜
真央side

「あぁもう!!鬱陶しいわね!!多すぎよ!!」

「どいてください!!」

「…」

その頃僕達は、1階の東側の曲がり角にいた。敵が多すぎる…早く、月さんを助けたいのに…

「紫苑!!あれ行くわよ!!」

「…」

「土竜剣!!」

桜華さんの合図で、紫苑さんも技を繰り出す。2人は同じ能力者。何かと相性がいい。

僕は多分、未だに守護者になろうか迷っている伊織さん…何で彼は、迷ってるんだろう…

「真央!!何してるの!!」

「あ、すみません!!」

僕はまた、目の前にいる敵に集中した。月さん、待っててください…!!



月side

あれから私は、奴に遊ばれていた。多分、酷いことになっていると思う。確認するのが怖い…

「…ん、いや…っ!!」

「うるせぇ、黙れ」

「ぁ…うぁ…」

体がピクピクする。胸を揉まれ、たまに強く吸われ、胸を揉まれ…それの繰り返し。

慣れない感覚に、私は完全に思考が麻痺していた。こんなの…こんなはずじゃなかった…!!

「っあ…!!ダメ…!!」

「ダメなんだ」

「…ん、ぁ…」

何度も奪われる唇。いやだー…早く助けに来て…!!

「助けには来ない」

「ふ、ぇ…?」

「優秀な下僕がいるからな」

「最低…っ!!」

「まだ吠えるか」

「ーーっ!!」

原田の舌が全体を這う。体は仰け反り、私は声にもならない悲鳴を上げる。

バンッ!!

「原田ーーーーー!!!!」

勢い良く扉が開いた。そこには…

「みんな…っ!!」

私は安心したのか、そこで意識を失ったー…
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