Hurly-Burly 5 【完】
分析して研究すればあたしにもポイズン
出せるような日が来るのではっ!?
「げへへっ・・・こうしちゃ居られん!
早速、ポイズンを採取に取り掛からねば。」
蛍光灯をカゴに入れてこっそり伊織君の
背後に回った。
伊織君は何故かさっきまでの若い奥さんではなく、
新人さんらしき店員さんを口説き落とそうとしていた。
い、今しかチャンスはない!
このビッグチャンスを逃しては駄目よ。
しかし、ポイズンどうやって採取する!?
液体でも固体でもないなら空気を広い集めないと
ならないから何か袋あったかしら?
談笑している伊織君と店員さんをよそに、
袋に常備してたビニール袋を取り出して
伊織君の周りにある空気をビニールに集めた。
※伊織の背後で作業をしているので店員さん
は不審な目で見ています。
「百合ちゃーん、どうしちゃった?」
伊織君がふと後ろを振り返ったことに
ドキッとして指定の位置に俊敏に動いた。
「ひよちゃ~ん、今隠したもん出そっか?」
ひっいい!サタンが出たああああ!!!
「な、何も持っていないぞ!」
と、とっさにポシェットの中にしまった。
「なーに?構って欲しかったってか?
しょうがねーな、今そっち行ってやるから
大人しく待ってなさい。」
あ、あたしはお子ちゃまじゃないぞ!
しかも、ちゃっかり店員さんにケータイの番号
聞いてる伊織君をガッツリ見た。
「研究材料は然と採取出来たわ・・げへへ」
ぐふふっ、これであたしもポイズン出せる
ようになったら分野が広がるぞ!
「変なもん見た・・・・・」
※日和がニタリと笑ってるところを目撃した伊織は
しばらく声を掛けられずにいました。
電気屋さんから出ると伊織君に何故か
距離を置かれたような気がする。
ポイズンIoriの効果はあたしには効かないものの、
ちょっと避けられてるような気がしてハートブレイクで
しょんぼりステージへ突入した。