Hurly-Burly 5 【完】
な、何がどうしてこうなってるんだ!?
普通に街中を歩いているけども、伊織君と
何故2人で居るのかさっぱり分からない。
まぁ、いいのかね?普通のことだよね。
中学の時だってマコ君とサユの後ろを
見張って田中と2人でコソコソ付けた
こともあったからな!
「伊織君、小腹が空いたよ。そこのラーメン屋入ろ。」
「小腹空いてラーメン屋ってねえだろ。」
「ありえるんだよっ!なくはないんだよ!
そこにラーメン屋があるんだから行くんだよ!」
「どんな理屈だよ~?」
伊織君が呆れたようにため息を吐く。
「じゃあ、そこで待っとれ!流し込んでくる!!」
そうか、伊織君はラーメン嫌病者なのね!!
とっても、損な病を抱えているのだな。
あたしは不憫に思うよ。
「行くってかそれじゃあデートの意味ねえだろ~よ。」
はっ!?
で、デートだと!?
そんなの一言も聞いちゃいないぞ。
ただの友達同士の遊びなのかと思っていたもの。
むしろ、これをデートなどと言っていいのか!?
ラーメン屋に駆けようとしていた足を止めて、
ジッと伊織君を見張る。
しかも、デートだったら普通他の子に連絡先
聞いたりしないよね?
あたしは気にせんが、他の子だったら絶対気にするだろうな。
ラーメン屋さんで、ズルズルラーメンを啜りながら、
伊織君をガン見する。
な、何を企んでいるんだ!?
まさか、あたしにドッキリを仕掛けようとして・・・
「相変わらず、よく食うよな~」
「伊織君は小食だと思うが。」
お料理上手な伊織君は食べる量が少ないのでは?
※ただ単に日和の食べる量が異常なのです。
「で、デートというのはハッタリですよね?」
餃子を箸に挟んで口の前に運ぶ寸前に、
隣に座る伊織君を一瞬見た。
カウンター席でお店に居るお客さんなんて
3時を過ぎた店内にはあまり居ない。