Hurly-Burly 5 【完】

ラーメンが似合わない伊織君は横顔だけなのに

果てしないぐらい色気を放っていた。

ら、ラーメン屋なのに可笑しいぞ!

ポイズンIoriが撒き散っているに違いない。

これは、早急に研究を終わらせねばならないわ。

「お前さんは少々無知過ぎるよな~。さすがの

伊織君も付き合い切れないよー。誰かこの純情

ひよちゃんに教えたってー。」

む、無責任な発言はよせ!

大体、純情って言いすぎだ。

「いおっ!」

伊織君って言おうとしたら口元に伊織君の

指が触れて目が点になった。

「まさか、ラーメン屋でこういうことになるとは

色気がちっともねえーな。」

伊織君が指に付いたネギをペロっと食べた。

「ひっいいい!!!」

こ、この人の色気を没収するべきよ。

審査会に査問を掛けて剥奪してやる。

そのポイズンを没収して地下に眠らせてくれるっ!!

「うっ・・・・・全世界が滅び行く・・・」

このままではポイズンが広がって魔導師Ioriの

手にこの世界が落ちる!?

何らかの手を打たねばならんぞ。

「ま、マジカルキャノン!!!」

「マジでー、そういうの要らねえー。」

魔導師め、ちっとも怯んでないではないか。

小癪な、これが効かないと言うのか!?

「ちょっと、伊織君そこで待ってて!

今からウルトラマンに早急に連絡してみる。」

「はぁ?」

「この地球を征服しようとしてる貴様を退治

するためにヒーローを全戦力を費やしてみる!」

「・・・・・その妄想をどうにかなんねーかな?」

アンパンマンにもドラえもんにも来てもらわないと

魔導師Ioriは手強いと思うわ。

「っで、どこに連絡する気だよ?」

「テレビ局に声を掛けてみようと思う。」

「ぜってぇー、悪戯だと思われんぞー?」

伊織君は呆れながらラーメンの汁をレンゲに

掬って口に運んだ。

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