Hurly-Burly 5 【完】
ラーメンを3杯平らげて餃子を5皿ほど食べ、
ラーメン屋さんを後にする。
会計しようと思ったらすでに会計が終わってた。
「伊織君、いくらだった?」
伊織君が払ったはずで、こんなことなら
お手洗い行く前に払っとけば良かった!
「そーいうこと、女の子が気にするんじゃねーの。」
「いや、女の子である前にあたしと伊織君は友人だ。
友人に奢ってもらうなど尺なので払わせるんだ!」
あたしは貧乏ではないぞ。
ヘラヘラ笑う伊織君に手出して見ろと言われて、
ズイっと差し出すとキャンディーが転がった。
「店のおじさんがくれたー。」
そのパッケージを見るとオレンジ色で、
あたしがオレンジ味好きなのを覚えててくれたんだと思った。
「伊織君、ありがとう!!!」
包装紙からキャンディーを取り出して、
口に放り込むと甘酸っぱいオレンジの香りが広がった。
前を歩いてた伊織君が口元を緩めて笑った。
「因みに伊織君は何味なの!?」
「んー、気になる?」
妖艶に笑う顔つきに嫌な予感がした。
この顔に何人騙されたことか!
だが、しかし誰もが騙されると思ったら大間違いだ。
このあたしが騙されないからな!
知らない内に距離が詰めていて、
すぐ近くにある伊織君の顔にギョッとした。
か、壁に背中がピッタリついていて、
逃げ場はどこにもない。
「なっ、何をする!?」
「気になるんだろ~?」
ふ、フェロモン攻撃に負けるな日和!
この攻撃に何人の子が犠牲になったのだろうか。
やりおるぞ、この魔導師。
「わわっ、世界征服はさせんからな!」
「オマエさ、マジで何考えってかわかんねー女だよな。
むしろ、その怪力はどっから来てんだ?」
何としてでも世界はあたしが守るわ!
ヒーローの諸君たちの期待を一身に背負って、
パワーアップして打倒魔導師Ioriだ!!