Hurly-Burly 5 【完】

ラーメンを3杯平らげて餃子を5皿ほど食べ、

ラーメン屋さんを後にする。

会計しようと思ったらすでに会計が終わってた。

「伊織君、いくらだった?」

伊織君が払ったはずで、こんなことなら

お手洗い行く前に払っとけば良かった!

「そーいうこと、女の子が気にするんじゃねーの。」

「いや、女の子である前にあたしと伊織君は友人だ。

友人に奢ってもらうなど尺なので払わせるんだ!」

あたしは貧乏ではないぞ。

ヘラヘラ笑う伊織君に手出して見ろと言われて、

ズイっと差し出すとキャンディーが転がった。

「店のおじさんがくれたー。」

そのパッケージを見るとオレンジ色で、

あたしがオレンジ味好きなのを覚えててくれたんだと思った。

「伊織君、ありがとう!!!」

包装紙からキャンディーを取り出して、

口に放り込むと甘酸っぱいオレンジの香りが広がった。

前を歩いてた伊織君が口元を緩めて笑った。

「因みに伊織君は何味なの!?」

「んー、気になる?」

妖艶に笑う顔つきに嫌な予感がした。

この顔に何人騙されたことか!

だが、しかし誰もが騙されると思ったら大間違いだ。

このあたしが騙されないからな!

知らない内に距離が詰めていて、

すぐ近くにある伊織君の顔にギョッとした。

か、壁に背中がピッタリついていて、

逃げ場はどこにもない。

「なっ、何をする!?」

「気になるんだろ~?」

ふ、フェロモン攻撃に負けるな日和!

この攻撃に何人の子が犠牲になったのだろうか。

やりおるぞ、この魔導師。

「わわっ、世界征服はさせんからな!」

「オマエさ、マジで何考えってかわかんねー女だよな。

むしろ、その怪力はどっから来てんだ?」

何としてでも世界はあたしが守るわ!

ヒーローの諸君たちの期待を一身に背負って、

パワーアップして打倒魔導師Ioriだ!!

< 235 / 415 >

この作品をシェア

pagetop