Hurly-Burly 5 【完】

ふわふわのオレンジブラウンの髪に雪が

パラパラと落ちていく。

こ、これは払ってあげるべきかしら?

未だ、顔を上げないちぃ君に手を

伸ばそうとそっと動かした。

う、動くなよ。

むぎゅっと髪を鷲掴みしてみた。

柔らかくてふわふわしてる髪をもぎゅもぎゅ

してみたかったと密かに思ってた。

「何してんだ?」

むぎゅっとした感触にへへっと味を占めていたら、

パッと顔を上げたちぃ君にギョッとした。

「い、いやこれには・・・!」

「この髪が気に食わねえか?」

「まさか!つい、ぎゅっとしたい衝動に

あたしが驚いている!!」

間近で見ると本当に欠点が一つもない。

こんなに綺麗な顔がこの世に存在するとは、

一体どうやって生まれたんだ!?

「はぁ?」

ちぃ君が首を傾げるのを見て再びむぎゅっと

オレンジブラウンの髪を握った。

「・・・・・・何がしたい?」

何がしたいってとくに考えてなかった!

ただ、どうしたらいいかなって思ってた。

ちぃ君に抱きしめられてるから動かせるのは

両手だけで行き着いた先は髪だった。

「ご、ごめんよ!」

嫌だったかなと思って手を引っ込めようとしたら、

ズイっとちぃ君が頭を向けた。

「えっ?」

な、何してるのこの子!?

天然だってのは理解してたけど、

ちょっと心配になるレベルだよ!

「触りたいんだろ?どーぞ」

その魅惑的なセリフにむぎゅっと

オレンジブラウンの柔らかい髪を

むぎゅむぎゅ遠慮なく握り締めた。

こ、こんなビッグチャンス二度と来ないかもしれん!

ぐふふっ、中々触り心地がいいぞ。

って、あたしは変態オヤジか!

イカンよ、あたしピチピチガールよ。

決して、変態などではないからな!

勘違いするでないよ。

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