キモチの欠片
「マジで?よかった。だったら俺にもチャンスがあるって事だよね。俄然、やる気が出たよ」
嬉しそうに言う。
てか、ヤル気なんて出さないで欲しい。
こんなことなら彼氏がいると答えておけばよかったと本気で後悔した。
あたし、出会いを求めてこの合コンに来た訳じゃないんだよなぁ。
誰にも気付かれないようにため息をついた。
あたしと遠藤さんの会話を聞いてた遥がニヤニヤしながら耳元で囁く。
「柚音~、あんた遠藤さんとくっついちゃいなよ」
「ちょっと変なこと言わないでよ。あたし、そんなつもりはないから」
「えー、もったいないじゃん」
何がもったいないよ。
他人事だと思って軽々しく言わないで欲しい。
あたしは適当な付き合いはしたくないんだ。
心から好きな人と付き合うって決めたんだから。
でも、その相手は遠藤さんじゃないと無意識に思った。
少し酔いが回ってる遥を適当にあしらい、呼び出しボタンを押した。
「すいませーん、生一つください」
扉を開けて部屋に入ってきた店員に注文した。