あたしたち別れましょ。
「美幸、絶対に幸せにするから」
「うん、楽しみにしておくね」
「しわくちゃなババアになってもずっと一緒にいような」
「フフ、じゃああたしはしわくちゃなジジイになった正樹の隣で笑ってあげるね」
ずっと想像していた自分の未来。
「正樹、この指輪嵌めてくれる?」
「あぁ」
別に難しく考えなくてもいい。
「美幸…ありがとう」
「ありがとうはあたしの方だよ」
正樹が隣にいる…たったそれだけであたしの未来は幸せなのだから。
「じゃあ、美幸の実家に荷物取りに行くか」
「うん」
久しぶりに手を繋ぐ。
「で、お母さんに少し挨拶して帰るか」
「…うん」
自然に頬が緩む。