守りたいモノ


ジュリアは
大笑いする黒の青年を見ては
またキョトンとしては
つられて笑ってしまった。

黒の青年は
笑い終わると、
ニヤリと笑い、跪いた。

「はじめまして、
黒玄(コクゲン)だ。
よろしく、ジュリア。
今日から友達だ。」

彼は跪くというより、
しゃがんだといった感じで
ジュリアと目線を
あわせるとそう言い、
頭をくしゃりと撫でた。

狛や翠は
呆れたように笑いを
零したが、
ジュリアが笑っているのを
確認すると
優しい笑いに変わり、
立ち上がった。

ジュリアは少し考えたような
素振りを見せると、

「お友達は、
同じ歳ぐらいじゃないと
ダメなのよ?
だから
黒玄と狛と翠は
お兄ちゃんとお姉ちゃんね!」

ジュリアは
1人すっきりしたように
言った後、満面の笑みを浮かべた。


それを最後に
優しく、暖かく幸せな夢は
黒い渦に消え去った。



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